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桜井総合法律事務所

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コスメの医師監修が禁止されるのは?

2020/10/06(火)

 

Q:やっぱりお医者さんが推薦しているとなんだか効くような気がするので、知り合いの先生にお願いして、下記のコメントと先生の写真を撮って化粧水の広告に載せたいと思っているのですが・・・・。

 

A:「皮膚科の専門医である○○が推薦する化粧水!」

「私がおすすめします!」

 

このような化粧品の広告表現は法律で禁止されます。

 

仮にどんな内容の広告でも制限なく許されるとすると、製造業者よりも情報が少ない一般消費者は嘘の広告に騙されて商品を購入してしまう可能性があります。

そこで医薬品医療機器等法において化粧品を販売する場合には下記の制限が課されています。

 

(誇大広告等)

第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。

2 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。

 

なお、「医師その他の者」とは、医師、歯科医師、薬剤師その他医薬品等の効能、効果又は性能に関し世人の認識に 相当の影響を与える者をいいます。化粧品については、これらの者のほか、美容師、理容師等も含まれます。

 

「皮膚科の専門医である○○が推薦する化粧水!」との表現は医師が化粧品の効能効果を保証したうえで推薦していると一般消費者は解釈する可能性があるので、66条2項に反する広告表現となります。

 

では「皮膚科の専門医○○が開発した化粧水!」とするのはどうでしょうか?

実際に医師が開発をしたのであれば事実である以上問題ないとも思われますが、法の趣旨はあくまで一般消費者に当該商品以外の情報で誤解を与えないことだとすれば違反する表現であるといえます。

 

平成29年に出された医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等において

「10 医薬関係者等の推せん 医薬関係者、理容師、美容師、病院、診療所、薬局、その他医薬品等の効能 効果等に関し、世人の認識に相当の影響を与える公務所、学校又は学会を含む 団体が指定し、公認し、推せんし、指導し、又は選用している等の広告を行ってはならない」

「本項は、医薬品等の推せん広告等は、一般消費者の医薬品等に係る認識に与える影響が大きいことに鑑み、一定の場合を除き、例え事実であったとしても不適当とする趣旨である」

とされています。

 

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000179263.pdf

https://www.mhlw.go.jp/content/000371812.pdf