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桜井総合法律事務所

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美容広告で「安心・安全」って謳っていいの?

2020/10/05(月)

 

Q:今回当社にてボディソープを作ったので「家族みんなで安心安全なボディソープを」、「赤ちゃんにも安心」とのキャッチコピーを記載して販売する予定です。

今回のボディソープは、肌と同じpHのため、本当に肌に刺激がないから特に問題ないですよね?

 

A:肌の表面のpHは4.5~6くらいと言われています。そのため、肌の表面と同程度のpHである御社のボディソープは肌への刺激が少ないと思われます。

ただし、医薬品等適正広告基準には効能効果または安全性を保証する表現について下記のような禁止事項があります。

「効能効果等又は安全性を保証する表現の禁止 医薬品等の効能効果等又は安全性について、具体的効能効果等又は安全性を摘示して、それが確実である保証をするような表現をしてはならない。」

今回の広告表現はこの禁止事項に反する可能性があるためNG表現と考えます。

 

すなわち、「家族みんなで安心安全なボディソープを」「赤ちゃんにも安心」とのキャッチコピーにより、赤ちゃんからご高齢の方までどのような方についても肌トラブルなく使用できる商品だと受け取られます。

しかし、肌は人それぞれであり、水蕁麻疹のように肌が水に触れただけで当該部位が赤く腫れる病気もあります。

また、今まで問題なく使用できた商品であっても、季節や個人の体調の状況によってアレルギー症状等が出ることもあります。

このように人の肌は千差万別であるため、性別、年齢等の如何を問わず効能効果が安心安全であることは現実的にあり得ない以上一律に安心安全を謳うことはできないとされています。

この禁止事項は明示だけでなく暗示的表現も禁止されるため「赤ちゃんにも!」「家族みんなで!」などのように「安心安全」との言葉を具体的に明示しなかったとしても禁止される表現とみなされます。

確かに安心安全などの表現は広告表現として訴求力がありますが、その反面として処分の対象となるだけでなく、これを信じて使用したお客様とのトラブルとなる可能性もありますので、あくまで化粧品の効能効果の範囲での広告表現にとどめるよう気をつけてください。

なお、今回のケースでは取り上げていませんが、効能効果又は安全性に関する臨床データや実験例等を例示することも消費者に対する説明不足となり、かえって化粧品等の効能効果又は安全性について 誤解を与えるおそれがあるため化粧品等の適正広告ガイドラインにて原則禁止されているので注意が必要です。