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桜井総合法律事務所

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アフィリエイト広告の法的問題点について

2020/10/08(木)

 

Q:「先生大変です。ついさきほど当社に消費者庁から当社の広告が景品表示法に違反しているとの通知が届いたのですが、調べたところ、その広告は当社ではなく当社が契約したアフィリエイターが作成した広告でした。当社としては、どのようなアフィリエイト広告が出回っているかまでは把握していませんでした。
アフィリエイターがやったことの責任を当社が取らないといけないのでしょうか?」

 

 

A:景表法上の規制対象は、「顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行う広告その他の表示」です。

 そうすると、アフィリエイターは、広告主のサイトへのリンク(バナー広告等)をクリックさせるため広告を表示するに過ぎず、顧客に自ら商品やサービスを提供する事業主ではないので、直接景表法上の責任を負いません。

 むしろ、消費者庁が公表した『健康食品に関する景表法及び健康増進法上の留意事項について』において、アフィリエイターに表示内容の決定を委ねている場合など、広告主がその表示内容の決定に関与している場合には、広告主が当該アフィリエイト広告を表示した事業者に該当し、景表法違反の責任を負うと説明されています。この場合、アフィリエイターは、広告主からの委託を受けて、表示内容の決定に関与しているため、「何人も」虚偽誇大表示をしてはならないと定める健康増進法上の措置を受けるべき者に該当し得るということになります(また、個別の契約に基づき、広告主から損害賠償請求される可能性があります)。

 どのような場合に責任を負うかは個々の事案ごとに判断されるため、一律に広告主が責任を負わなければならないわけではありませんが、今回のケースのように突然身に覚えがない通知が届く可能性もあります。

 そのため、業界のメーカー、広告代理店におかれましては、アフィリエイターの管理についても、知見のある弁護士にご相談することをお勧め致します。

 

 

【参考資料】

・健康食品に関する景表法及び健康増進法上の留意事項について(H25/12/24消費者庁)

https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/160630premiums_9.pdf

 

・インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項

https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/guideline/pdf/120509premiums_2.pdf